2月4日~2月5日の2日間にかけて、『雪崩から身を守るためにinひがしかわ』が開催されました。
東川町は大雪山系の最高峰旭岳を有する自然が豊かな町で、冬季は北海道でも有数の豪雪地帯の中でも
最高のパウダースノーが楽しめる地域としてたくさんのスキーヤーやスノーボーダーが訪れるところです。
その中では雪山の危険を把握せずに入山して、山岳遭難事故になる場合もあります。
今回は、雪山事故防止のために雪崩事故防止研究会と北海道警察のご協力をいただき、
雪山に潜む危険「雪崩」について学びの機会を作りました。
1日目
第1部 「生活の見直しから雪崩事故を予防する」… 及川 欧 氏
第2部 「雪崩の基本とリスクマネジメント」… 大西 人史 氏
及川さんは、日常生活にある個人の「数値」に着目しリスクや危険から事故を
予防する方法を紹介されました。及川さんが能登地震で直に経験された救助事例や
南極観測隊での経験を元に、体に起こる変化を説明されました。
日頃の体重や血圧、歩数や睡眠時間等を数値化して自分の体力が、
ヒューマンエラーやリスクにどの程度近いのか表を使って解説してくれました。
大西さんは雪崩の基本である雪質や気象条件、危険な地形について
実際の雪崩映像や写真を用いて解説されました。
雪山での単独行動のリスクや身近に潜む危険に対しどう対処すべきか、
実際の雪崩の経験を元に救助方法などリスクマネジメントの必要性を参加者へ説明していました。
2日目
第1部「証言 雪崩遭難〜山から生きて還るヒント」… 阿部 幹雄 氏
第2部「北海道の山岳遭難事故事例」…林中 健浩 氏
阿部さんは過去起きた雪崩事故からの教訓、一瞬の油断が事故につながったケース、
埋没の事故から奇跡的に生還ができた人のインタビューや救助に関わった人たちのインタビューを通じて
雪崩の恐ろしさと雪崩教育・訓練の重要性について語りました。
林中さんは旭岳から一番近い東川町の駐在所長として道警山岳遭難救助隊としての経験から
実際の救助現場の事例を紹介してくれました。
写真から見た救助現場は想像以上の劣悪な環境でした。氷点下で強風、視界がゼロに近いところを
自分も危険な状況でも要救助者がいる場所まで重い道具を持って向かう救助隊の方々には頭が下がります。
講演後は道警式低体温症ラッピングの実演も行いました。
ご参加いただいた皆様、講師の大西さん、阿部さん、及川さん、林中さん、司会の越高さんありがとうございました。